デューデリジェンス(DD)とは

1. 事業再生におけるDD

 事業再生におけるDDとは、「事業再生に必要な調査分析」であり、窮境要因分析を含む適切な実態把握であります。

 例えば、財務DDの場合、「事業再生における財務DD」と「投資家型財務DD」を比較すると以下のようになっており、立場が異なるため内容も「過剰債務」、「税務上の繰越欠損金」、「保全状況」、「個人資産の状況」の実態把握も必要となります。

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項目 事業再生における財務DD 投資家型財務DD
立場 中小企業再生において対象となる債務者及び債権者の合意のために必要な実態把握 M&Aなどにおいて基本的に投資家サイドに立って実施される
内容 実態B/S(場合によっては清算B/S)
実態収益力
過剰債務(正常運転資金分析を含む)
税務上の繰越欠損金
保全状況
個人資産の状況
実態B/S
実態収益力

2. 事業再生におけるDDの範囲と水準

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区分 DDの水準 内容
債権放棄等を伴う抜本的再生を必要とする案件 フルスペックDD 私的整理であるとしても抜本的再生を含む案件の対象債権者の合意が必要な場合には、十分な実態把握に基づいた計画策定、税務リスク等の対応が重要であります。
上記以外のリスケジュール等の案件 スポットDD 全ての対象金融機関がすでに納得しており、また、本質的に再生計画の金融支援に及ぼす影響が少ない場合には、フルスペックDDの水準ではなくとも部分的な財務DD(例えば、実態B/Sのみ)のスポットDDで十分と考えられます。

3. 協議会のDDのポイント

 DDは、事業DD、財務DDのほか、法務DD、税務DD、人事DD等その目的に応じて多岐にわたりますが、協議会におけるDDは、その目的が「中小企業再生において対象となる債務者及び債権者の合意のために必要な実態把握」であるため、少なくとも事業DDと財務DDが必要となります。