事業DDのポイント
1.ビジネスモデル俯瞰図
事業DDの最大のポイントは、この「ビジネスモデル俯瞰図」を利用して、事業内容の実態を十分に把握することです。
この絵を描いて、計画策定主体である企業の役職員、策定支援者(金融機関担当者、専門家等)が十分な議論によって、課題を共有することが重要です。
課題1:「お客様」っていったい誰?
- どのような顧客層を狙っている?
- その顧客層に対し、実際の客層をどう把握している?
課題2:「お客様」に何を提供したいの?
- 狙っている「お客様」の要望に合った商品・サービスを提供しているの?
- 何をどのくらい売ればいくら儲かるの?
課題3:いったいどこが儲かっていないの?
- 部門別や店舗別などのもうけは把握できてるの?
- 儲けの把握方法は?
課題4:従業員は社長の期待に応えている?
- 誰に何をどのレベルまでしてほしいの?
- 従業員のモチベーションは給料だけ?
- そもそも社長とその他の役員は何をしているの?
課題5:内部の問題点は何?
- 何をどれだけ無駄に費やしているか把握できているの?
- 無駄を減らすために何か行動しているの?
- 業務は何を基準にやっているの?
2.実施計画(アクションプラン)
事業DDの最大のポイントは、この「ビジネスモデル俯瞰図」を利用して、事業内容の実態を十分に把握することです。
この絵を描いて、計画策定主体である企業の役職員、策定支援者(金融機関担当者、専門家等)が十分な議論によって、課題を共有することが重要です。
「Ⅲ.ビジネスモデルの概況」によって、十分に議論して共有した「課題」に対する「改善項目」と「実施時期」を策定します。
- 「事業体制の強化」は、事業を改善するための根本となる事業体制の強化策(管理会計手法の導入、外部人材の登用、グループ企業再編など)を記載します。
- 「事業面の改善」は、営業利益改善について売上増加、経費削減等の項目ごとに具体策を記載します。
- 「財務面の改善」は、バランスシート改善に向けた具体策(企業による資産売却・増資など、経営者等による資産売却・新規貸付・債権放棄など)について記載します。
- ビジネスモデル俯瞰図で十分な議論によって共有した課題をまとめます。
- 課題に対する改善の骨子を策定します。
- 改善の骨子の内容が行動できるような具体的な内容を策定します。特に、ここが経営改善計画の命であるため、社長をはじめとした会社の方々に良く考えてもらいます。また、公的制度を活用して専門家の意見を取り入れることも検討します。
- 計画実行に対する役割、責任を明確にします。その結果、計画の実現可能性が高まります。
- 課題の重要度によって優先順位を意識しながら実施時期を定めます。
- 実施期間を明確に策定します。